カルディロ 『つれない心』

僕が高校時代に音楽の教科書に載っていた、20世紀初頭の代表的なナポリ民謡のカルディロの『つれない心』(または『 カタリ』)は、あれ以来ずっと僕のレパートリーの1曲です。
甘美な旋律と、カタリ(カテリーナ)のつれない言葉に心をずたずたに引き裂かれながらも、自分が愛した事を忘れないで欲しいと言う歌詞が切ないです。
昔、まだミラノに住んでいた頃、ナポリ民謡ばかりを集めてレストランでディナー・ショウを開かせて頂いた事があります。プログラムの中には、『オー・ソーレ・ミオ』、『帰れソレントへ』、『忘れな草』等と並んで、勿論、『つれない心』も入っていました。 伴奏をしてくださる方(女性)のお宅へ初めて伺った時の事です。40分位のプログラムだったので、長い時間に亘り合わせをしていた事になりますが、僕が帰った後、近所のおばさんが訪ねてきて、「あなた、いつからナポレターノ(ナポリの男性)なんかと付き合ってんの?」と訊いたそうです。自分で言うのもなんですが、当時はイタリア人も驚くほどナポリ方言の発音が上手かったんですよ(^^;

この『つれない心』のような想いは、一生のうちに何回くらい経験するんでしょうね。熱烈な恋なんて、実際には数えるほどしかないかもしれません。失恋の痛みを歌った名曲です。

ちょっと聴いてみる → カルディロ 『つれない心』 “catari.mp3” (0.98MB) 公開終了

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